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立ち去り型サボタージュ 忍び寄る崩壊の足音/6(大阪)

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

【2007年2月1日】

医療クライシス:東京・大阪の公立病院の半数、診療縮小----毎日新聞調査

◇激務で燃え尽き
 立ち去り型サボタージュ。医療関係者の間で、こんな言葉がささやかれている。医療訴訟が増え、時に逮捕される。しかも病院勤務医の給料は過酷な勤務に見合わない。耐えられなくなった勤務医が、開業などへ流れ始めた現状を指す言葉だ。

 近畿地方で最近、婦人科クリニックを開業した50代の男性医師は、病院で産科を担当していた時、不眠症に悩まされた。週1回の当直と翌日の通常勤務、月1回の土日勤務、緊急手術の呼び出し。「携帯電話を枕元に置き、いつ呼び出されるか、びくびくしていましたね」。激務の末に表れた症状だった。

 若い時には耐えられた。だが当直明けに手術を何件もこなすと、足はむくみ目もかすむ。体力的に限界だったが、辞めると、残る同僚にしわ寄せが行く。既に産科の常勤医が相次いで辞めていた。悩み抜いて開業の道を選ぶ。収入は減ったが、好きな酒も気にせず飲める。不眠症も治った。いかに病院勤務が重圧だったか実感した。

 産科医を選んだのは、赤ちゃんを取り上げ、お母さんが喜ぶ様子を見たかったからだ。でもクリニックでは、お産を扱うつもりはない。「お産を危険だと思わない人がほとんどだし、頑張っても、医師に感謝する患者は減った。刑事責任を問われる可能性もある」

 この男性医師は言う。「我慢に我慢を重ね、最後の手段として、立ち去るしかなかった。今は産科を離れてよかったと思っています」

   ■   ■

 看護師や助産師も燃え尽きて職場を離れるケースが増えている。

 大阪府内にある病院の産婦人科病棟で約4年間勤務し、昨年退職した助産師(28)は「続けていたら心も体も壊れていた」と話す。分べん数は月100件前後あり、病棟は満床状態のことが多かった。辞める看護師が多く、数年前に勤務形態が3交代から2交代に変わった。多い時には夜勤が月16回。分べんがあると休憩も取れない。午前9時に終わる夜勤も昼に帰れれば早い方だった。休日に働くことも多かった。

 「忙しくても3年目ぐらいまでは、やりがいを感じていたけど、医療事故を気にして病院の管理もきつくなり、母親とかかわる時間も少なくなった。疲れましたね」。今は医療関係のパートを週2回こなす。

 東京都内にある大学病院の看護師、岡本幸さん(28)は3月で退職する。リーダー役を任され、精神的負担が増えたからだ。「看護の仕事は好きだし、職場の雰囲気も良いけれど、一度、離れてみようと思いました」

 日本看護協会によると、病院で働く看護師の離職率は、94年度は9・9%だったが、05年度は13・1%(速報値)に上昇。市川幾恵・昭和大病院看護部長は「事故防止などで看護師の責任が重くなる一方、医療の高度化などに伴って新人の教育にも時間がかかる。中堅看護師に負担となり、“燃え尽き”の一因になっている」と指摘する。

   ■   ■

 「立ち去り型サボタージュ」の名付け親で、東京・虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹さん(57)は「自尊心と良心で続けてきた勤務医が、過剰な患者の要求や警察の介入などで限界にきている。患者側と医療側の相互不信を取り除くため、第三者による本格的な医療事故調査機関が必要だ。このままでは間違いなく医療は崩壊する」と警鐘を鳴らす。=つづく

 
 
 
 
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