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米国の消防士における緊急業務と心疾患による死亡

記事:Massachusetts Medical Society.

Emergency Duties and Deaths from Heart Disease among Firefighters in the United States

S.N. Kales and others

背 景
米国の消防士において,勤務時間中に発生する死亡の 45%は心疾患によるものである.1994~2004 年の勤務時間中の消防士における冠動脈性心疾患による死亡リスクを,業務別に調査した.

方 法
1994~2004 年における勤務時間中の全消防士の死亡例に関して,米国連邦危機管理庁(Federal Emergency Management Agency)から提供された概要を再検討した.2001 年 9 月 11 日のテロ攻撃に関連した死亡は除外した.市立の消防署 1 ヵ所,大都市圏の消防署 17 ヵ所,国のデータベースから,消防士がさまざまな業務を遂行するために費やした時間の推定比率を年ごとに算出した.各業務遂行中の冠動脈性心疾患による死亡のオッズ比と 95%信頼区間を,予測オッズに対する観察オッズの比から算出した.緊急以外の業務は基準カテゴリーとして算出した.

結 果
冠動脈性心疾患による死亡は,消火活動(これらの死亡全体の 32.1%),出動警報への対応(13.4%),出動からの帰還(17.4%),身体的訓練への参加(12.5%),火災以外の緊急事態への対応(9.4%),緊急以外の業務の遂行(15.4%)と関連した.緊急以外の業務遂行中における冠動脈性心疾患による死亡のオッズと比較して,各業務のオッズ比は,消火活動中で 12.1~136 倍,出動警報への対応中で 2.8~14.1 倍,出動からの帰還中で 2.2~10.5 倍,身体的訓練中で 2.9~6.6 倍であった.これらのオッズは,消防士が業務に費やした時間の 3 つの推定比率を基準とした.

結 論
緊急の消防業務の中には冠動脈性心疾患による死亡リスクと関連するものがあり,そのリスクは緊急以外の業務に関連するリスクに比べ顕著に高かった.リスクは消火活動に関連してもっとも高くなり,緊急以外の業務に関連するリスクの約 10~100 倍であった.


 
 
 
 
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