環境中でウイルス耐性化も タミフル大量使用に警鐘 新型インフルで英研究
記事:共同通信社
【2007年6月4日】
新型インフルエンザが大流行して抗ウイルス薬タミフルが大量に使用されると、尿に排出された薬の成分が河川の水を介して野鳥の体内に入り込み、タミフルが効かない耐性ウイルスが生じる恐れがあるとする研究を、英国の研究チームが2日までにまとめた。
1つの薬ばかりを使うと人の体内で耐性ウイルスができ、それが広がる恐れがあるのは分かっていたが、環境中でもそうしたリスクがあることを示した形だ。
チームのアンドリュー・シンガー英生態学・水文学センター主席研究員は「し尿処理段階で薬剤成分を不活化するなどの対策を講じるべきだ」と指摘している。
タミフルの有効成分は人の体内で活性化し、ウイルス増殖を抑える作用を発揮する。ただ大半は尿などに排せつされ、化学変化もしにくい。
チームは、英国と米国の16地域の下水処理網について、大流行時にタミフル成分を大量に含む下水が生じた場合、処理水が流れ込む河川中の濃度がどうなるかを試算。その結果、英ロンドン周辺や米コロラド川流域などでは、河川水1リットル中に30マイクログラム超の薬剤成分が含まれ、こうした高濃度の状態が2?3週間続くことが分かった。
流域には、インフルエンザウイルスを運ぶ生物として知られるカモなどの野鳥が生息しており、チームは水を飲んだ鳥の体内でウイルスが耐性ウイルスに変異し、最悪の場合、人に感染する可能性もあるとみている。
シンガー研究員は「世界最大のタミフル消費国である日本でも、河川の薬剤濃度を監視する必要があるかもしれない」と話している。
GIスズキの独白:なるほど、まー当たり前のことか!じゃーインフルエンザの患者さんを目の前にした時にどうしたらいいものか?タミフルは日本の常識みたいなところがあるしな。今すぐ検討しなくちゃだよ。 |