4割はタミフル服用せず 重度の異常行動137人で 厚労省研究班が報告
飛び降りなど重度の異常行動を起こしたインフルエンザ患者は昨シーズンは137人いたが、治療薬タミフルを服用していたのは60%で、38%は服用していなかったとする厚生労働省研究班の調査結果が、16日の同省専門家作業部会に報告された。
タミフルを飲まなかった患者にも異常行動がみられることは、以前から指摘されている。作業部会メンバーの内山真(うちやま・まこと)日本大教授は記者会見で「インフルエンザで異常行動が起こりうることが分かった。薬が直接何かを起こしているという可能性は小さいことを示唆するデータ」と述べた。
同省は別の疫学調査の結果なども踏まえ、25日の安全対策調査会でタミフルと異常行動の因果関係を評価する方針。
岡部信彦(おかべ・のぶひこ)国立感染症研究所感染症情報センター長を主任研究者とする研究班は、すべての医療機関に対し、突然走りだしたり飛び降りたりなど重度の異常行動を起こしたインフルエンザ患者の報告を求めた。昨シーズンで該当した30歳以下の患者は137人で、平均10歳、74%が男性。82人(60%)はタミフルを飲み、52人(38%)は飲まず、3人(2%)は不明。
研究班は、同省が3月にタミフルの10代への処方中止をした後も「異常行動は減ったとは言えない」と分析。一方で「過去にさかのぼっての調査のため、偏りが生じている可能性がある。異常行動の発症率の推定、タミフル服用の有無別の比較は難しい」としている。
また厚労省は、今年10月以降にタミフルで3人、別の治療薬リレンザで2人の異常行動の報告があったと公表した。
▽タミフルと異常行動
タミフルと異常行動 厚生労働省によると、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した後に異常行動を起こした患者は、2001年の販売開始から280人以上が報告されている。飛び降りや道路への飛び出しによる死亡例もある。同省は3月に、10代へのタミフル投与を中止するよう通知。服用と異常行動の因果関係の有無について、疫学調査や動物実験が進められている。
GIスズキの独白:なんかどう考えていいのやら。「薬に責任がない」と言いたいの?かなあ、でも、10代の患者への投与は御法度でしょ。現場を預かる私は…インフルエンザの症状は結構きついし、早く良くなりたいという患者さんの要望もあるし、20歳なら投薬してもイイというのもおかしいし。結果報告なら、その影響まで考えて報告してるんでしょうけど…
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